月間利用者数5,000万人を誇る国内最大手ECサイト、Amazon。
自身でD2Cブランドを運営している人には、無視できない存在でしょう。
D2Cとしてのメリットがなくなるという考えから、以前はAmazonへの出品を拒否してきたブランドが多数派でした。
しかし、近年では多くの有名D2CブランドがAmazonへの参入を決定しています。
この記事では、
- D2CブランドがAmazonに興味を持った理由
- D2CブランドがAmazonに出品するメリット
- D2CブランドがAmazonに出品するデメリット
上記について詳しく解説しています。
D2Cに関してまったく知識がない人でも理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜD2CブランドがAmazonに興味を持ち始めた?
そもそもD2Cとは「Direct to Consumer」の略で、ブランドやメーカーが消費者と直接やり取りをおこなうビジネスモデルのことです。
D2Cは原則、Amazonや楽天などのECモールを介さずに販売することになります。
そのため、Amazonを利用した販売方法は厳密にはD2Cではありません。
しかし最近では、以下の理由により多くのD2CブランドがAmazonに興味を示しています。
- 商品ページの多様化
- 「ストアページ」機能の追加
- 圧倒的なEC業界シェア率
それぞれ詳しく紹介していきます。
商品ページの多様化
D2CブランドがAmazonに興味を持ち始めた理由の1つ目は「商品ページの多様化」です。
今までのAmazonの商品ページはテンプレートの数が少なく、ブランドの特徴や魅力が伝わりづらい仕様になっていました。
D2Cで成功するためには、ブランドアピールが必要不可欠です。
商品ページの多様化に伴い、競合との違いや自社製品のアピールが容易になったことで、販売経路の1つとしてAmazonが選択されるようになりました。
「ストアページ」機能の追加
D2CブランドがAmazonに興味を持ち始めた理由の2つ目は「ストアページ機能の追加」です。
ストアページでは、ブランドストーリーや新商品の告知、メイン商品を画像や動画で紹介することができます。
ブランドの認知度を高めることはもちろん、Amazonでの広告掲載により集客力の強化につながるでしょう。
また、多種多様なテンプレートを使用できるので、サイト構築の知識がなくても問題ありません。
大口出品者限定の機能ですが、追加費用も発生しないので、D2CブランドとしてAmazonに出品するなら必ず活用したいサービスです。
圧倒的なEC業界シェア率
D2CブランドがAmazonに興味を持ち始めた理由の3つ目は「圧倒的なEC業界シェア率」です。
日本のEC業界のシェア率は「Amazon」「楽天市場」「yahoo!ショッピング」の3大ECサイトが6~7割を占めています。
ご存知の通りAmazonは、EC業界において非常に高いシェア率を持っており、3大モールの中でもAmazonがトップです。
消費者とダイレクトにやり取りをするD2Cでは、ブランドの認知やサイト集客に力を入れる傾向にあります。
そのため最も多くの人が利用しているECサイトである「Amazon」に参入して、更なる認知向上を狙うことは当然の流れかもしれません。
D2CブランドがAmazonに出品するメリット
ここからは、D2CブランドがAmazonに出品する、主なメリットは以下の3つです。
- メリット1:圧倒的な集客力
- メリット2:出品の費用が安い
- メリット3:入金サイクルが早い
それぞれ詳しく紹介していきます。
メリット1:圧倒的な集客力
1つ目のD2CブランドがAmazonに出品するメリットは、圧倒的な集客力です。
豊富な商品ラインナップ、配送スピードの速さ、サイトやアプリの使いやすさ、購入までの手間の少なさなど、ユーザビリティの高さから「Amazonでしか買い物をしたくない」と考える利用者も少なくありません。
セキュリティ面においても非常に信頼されているため、AmazonユーザーにD2Cブランドの商品をリーチするためには、Amazonに出品するしかないでしょう。
Amazonそのものが強力な集客装置になっているので、出品するD2Cブランドは今後も増加していくことが予想されます。
メリット2:出品の費用が安い
2つ目のD2CブランドがAmazonに出品するメリットは、出品の費用が安いことです。
Amazonの出品プランを見てみましょう。
小口出品 | 大口出品 | |
契約料金 | 無料 | ¥4,900(税込)/月 |
成約料金 | ¥100(税込)/回 | 無料 |
「小口出品」と「大口出品」の2つのプランから選択できます。
小口出品は商品が1つ販売されるごとに100円の成約料金が必要になるので、50点以上販売する見込みがある場合は大口出品を選びましょう。
Amazonの契約料金は月額4,900円ですが、楽天市場の1番安いプランが月額19,500円ということを考慮すれば、かなり安いことがわかります。
メリット3:入金サイクルが早い
3つ目のD2CブランドがAmazonに出品するメリットは、入金サイクルが早いことです。
多くのECサイトが、月末締め翌月末入金のサイクルを採用しています。
しかしAmazonは、14日ごとに入金するサイクルを採用しているので、資金操りに困っている人には、強い味方になってくれるでしょう。
利用者だけでなく、販売元にも「迅速で丁寧」な対応を徹底していることが、多くのD2Cブランドから選ばれている理由のようです。
D2CブランドがAmazonに出品するデメリット
それでは最後に、D2CブランドがAmazonに出品するデメリットを紹介していきます。
魅力的な要素がたくさんあるAmazonですが、以下のようなデメリットがあることを知っておきましょう。
デメリット1:価格競争に巻き込まれる可能性
デメリット2:販売手数料が高い
デメリット3:「Amazon」が競合相手になる
それぞれ詳しく紹介していきます。
デメリット1:価格競争に巻き込まれる
1つ目のD2CブランドがAmazonに出品するデメリットは、価格競争に巻き込まれることです。
Amazonは出品数が非常に多く「商品の安さ」が販売の決め手になることもあります。
また、Amazonは出品までのハードルが低いので、参入してくるD2Cブランドの競合相手の増加に伴い、激しい価格競争が発生する可能性は非常に高いでしょう。
ブランドが成長するまで間は消耗戦になるので、生き残れるだけの体力が必要になります。
デメリット2:販売手数料が高い
2つ目のD2CブランドがAmazonに出品するデメリットは、販売手数料が高いことです。
Amazonでは、先ほど紹介した「契約料金」と「成約料金」以外に「販売手数料」が必要になります。
以下の表は、販売手数料の一例です。
カテゴリー | 販売手数料 | 最低販売手数料 |
本 | 15% | なし |
CD・レコード | 15% | なし |
カメラ | 8% | 30円 |
パソコン・周辺機器 | 8% | 30円 |
Amazonデバイス用アクセサリ | 45% | 30円 |
スポーツ&アウトドア | 10% | 30円 |
カー&バイク用品 | 10% | 30円 |
おもちゃ&ホビー | 10% | 30円 |
PCソフト | 15% | なし |
文房具・オフィス用品 | 15%4 | 30円 |
ホーム(インテリア・キッチン) | 15%5 | 30円 |
大型家電 | 8% | 30円 |
DIY・工具 | 15% | 30円 |
産業・研究開発用品 | 15% | 30円 |
その他のカテゴリー | 15% | 30円 |
販売手数料は8~15%に設定されているようで、販売数や売上に関係なく一律の手数料を支払うことになります。
D2Cの強みである「利益率の高さ」がなくなってしまうので、Amazonに出品する最大のデメリットといえるでしょう。
デメリット3:「Amazon」が競合相手になる
3つ目のD2CブランドがAmazonに出品するデメリットは「Amazon」が競合相手になることです。
Amazonは他のECサイトと違って、自社製品の販売もおこなっています。
価格競争でAmazonに勝てるD2Cブランドは、ほぼいないでしょう。
すでに一部の商品はAmazonが独占しているジャンルもあるので、自身が運営してるブランドのメイン商品の販売状況は必ず確認しておきましょう。
【まとめ】販売チャネルの1つとしてAmazonを検討するべき
今回は、D2CブランドがAmazonに出品するメリットとデメリットについて紹介しました。
D2Cブランドによって最適な販売チャネルは異なります。
Amazonへの参入も、より多くの人に商品を知ってもらうための方法の1つです。
固定費の安さや出品までの手軽さ、利用者数の多さはAmazonならではの強みですが、競合が多いことや検索順位を上げるためには広告費がかかるなど、明確なデメリットもあります。
自身のブランドイメージを考慮した上で、ぜひAmazonへの出品を検討してみてください。